はるかな浅みを目指して
ええんか
私が「浅いアニソンで踊る」で選曲をする上で考えていることを紹介します。 基本的には「参加者全員が踊れる」ためにどうすればよいかということを考え ています。まだまだノウハウの蓄積が十分ではないので、洗練されてはいませんが、参考にしていただけたら幸いです。
目標:参加者全員が踊れるアニソンクラブイベント
「浅いアニソンで踊る」は参加者全員が踊れることを目標としています。 「浅い」曲を流すのも参加者が踊りやすくするためです。選曲で悩んだときにはこの目標に立ち返って考えます。いわゆるオタク以外の人も参加するイベントなので、オタクでなくても楽しめるような選曲にしたいです。 DJ はそれぞれ個人的に流したい曲があるとは思いますが、DJ にも「浅い」曲を流すメリットがあります。「浅い」曲が流れるという信頼によって かなりの盛り上がりを体験することができます。逆に「浅い」参加者たちは厳しいので「深い」曲を流したらすぐにフロアが冷めて辛くなってしまいます。自分の流したい曲を流せる企画も(DJ の福利厚生のために)用意しているので、そこで流したい曲を流すことができます。
- エゴとの戦い
参加者全員が踊れるような選曲を邪魔する最大の要因は我々DJ の中にあります。好きな曲を流したいという気持ちや自分の興味・知識・認識の狭さが最大の敵です。原理的には普段からあらゆるジャンルに触れている人以外は選曲のために自分の知らなかった浅い曲を探す必要があります。 他の DJ との選曲相談や様々な人と話すことを通じて自分以外の視点を入れることを忘れないでください。個性は出そうと思っていなくてもでるので気にする必要はありません。 エゴがダメなのではなくて、エゴによって適切な判断ができなくなるこ とがマズイのです。この浅い曲が個人的に好きだから流したいというのは 問題ありません。自分が好きだから浅いと思ってしまう。自分が知らなかったから深いと思ってしまう。というのが良くないのです。
- 知名度の高いアニソンを流す
知名度の高いアニソンは多くの人にとって踊りやすいといえます。知名 度の低い曲でも踊りやすければ良いじゃないかと思うかもしれません(もちろんそれも一定正しいと思います)が、リズムやメロディーよりも知っているかどうかの方が、踊りやすさ(ノリやすさ)に与える影響が大きいようなシーンは多いです。特に音楽へ触れてこなかった人にとってはその傾向が強いでしょう。そして浅いアニソンを流すというコンセプトを守ることはイベント全体の満足感を高め、他のイベントとの差別化を可能にします。 知名度を測るための基準として「アニメは観ていないけど知っている」曲 は強いです。近年はアニメ業界が細分化していてほとんどの人が観ている ようなアニメは中々ありません。アニメの知名度を超えて多くの人に知れ 渡っている曲はアニメを観ていない層にも刺さる可能性が高いといえます。 知名度の高いアニソンは十分たくさんあるので、浅くない曲を流す理由は基本的にエゴです。
- 幅広い選曲をする
人によって知っている曲は違うので、できるだけ広いジャンルの曲を選 曲した方が多くの人を楽しませることができます。特に曲のリリース年代が偏らないように注意するべきだと思います。自分の知っている曲・好きな曲を流すと、年代が偏りがちだからです。選んだ曲のリリース年のヒストグラムを作るのが効果的だと思います。 (悪い例) 同じコンテンツ・同じアーティスト・同じ時期に流行った曲を何曲も流す
- 刺さる曲よりも知っている曲を流す
誰しも、自分の知っている曲というよりも好きな曲が流れた方がうれしいはずです。ですが、それを狙ってニッチな曲を選曲すればよいという話ではないと思います。ある特定の人たちだけに刺さる曲は、それ以外の人たちからすれば他の人はノレているのに自分はノレない曲です。そんな曲が続けば、刺さらない人には自分はイベントを楽しむだけの知識がないと思われてしまう恐れがあります。 もし刺さる曲を狙って選曲するなら刺さる集団を固定しないような選曲をするべきです。自分の知らない曲が流れていても幅広く選曲されていれ ば、少なくとも一部のオタクによる内輪ノリ感は解消されます。
- 信頼を勝ち取る
我々がどんなに頑張っても参加者の知らない曲が流れることはあります。 どれだけ頑張って選曲しても一番「浅い」人は流れる曲の半分も知らないでしょう。そんな人がノレるかノレないかはどれだけ DJ が信頼されているかに依存します。DJ が十分信頼されていれば、自分は知らないけれど多分浅いのだろう。次は知っている曲を流してくれるかもしれないと思ってノリやすくなります。
- 信頼曲を流す
ほとんどアニソンを聞かない人にも楽しんでもらうには、テレビや街中でも流れるような本当に「浅い」曲(私は信頼曲と呼んでいます)を何曲か流す必要があります。そんな曲が「大好き」な人はあまりいませんが、 だからこそ、そのような曲を流すことは DJ の信頼に繋がります。信頼曲を DJ が好きだからゴリ押しで流している確率はかなり低いので、浅い曲を意図的に選曲していることのアピールとなるのです。
- 2 番は避ける
アニメの OP では 1 番しか流れないことが多く、2 番は知名度が低いことが多いです。また、フル尺で流すと、その曲を知らない人にとって、知らない曲が流れる時間が長くなってしまいます。1 番しか流さないことで、流せる曲数が増え、多くの曲を流すことができるという効果もあります。
- 前回流した曲も流す
前回流した曲は前回「浅い」から流した曲なので、積極的に流します。 今回初めて来た人にとっては前回流れたかどうかなんて関係ないですし、 前回来てくれた人にとってはむしろ聞いたことのある曲です。DJ としては、 まだ流していない曲を流したいという気持ちもありますが、それは DJ のエゴに過ぎません。
- MV のある曲を選ぶ
視覚的にも楽しむことができるので、MV がある曲が望ましいです。MV があれば知らなくても一定楽しむことができます。
- できるだけ原曲を流す
アレンジされた曲よりも聴き馴染みのある原曲の方が展開を予想できるので踊りやすいです。
- 新しい曲を優先
昔の曲を若い人間が聞くことよりも新しい曲を古い人間が聞くことの方が容易なので、新しい曲を多めに選曲することが望ましいと言えます。但し古典的な人気をもつ作品についてはその限りではありません。
- アイドル曲・キャラソンは避ける
アイドル曲・キャラソンはそのコンテンツを知らない人が触れる機会が少ないため極力流さない方がよいと思います。
- アニソン以外は基本流さない
「浅いアニソンで踊る」というイベントなので基本的にアニソン以外は 流さない方が良いと思います。コンセプトを守りたいからです。アニソンよりも知名度の高い J-Pop はたくさんありますが、節操なく流しているとコンセプトがぶれてしまいます。しかし、より多くの参加者の楽しさにつながるのであれば多少の逸脱はむしろ狙っていきたいとも考えています。普通のアニクラでは(参加者の多くは音ゲーやボカロも好きなので)音ゲーやボカロも流れることが多いと思いますが、「浅いアニソンで踊る」にはそうでもない人も多く来るので、控えた方がよいと思います。
- あえて深い曲を流す場合によっては幅広い選曲のために少し深い曲を流すこともあり得ます。 数曲でも知っているコンテンツの曲が流れるのはうれしいことですし、自分も参加者として想定されているという感覚を与えることができます。 但し、少し深い選曲は DJ 自身が流したい曲を流すためではなく、楽しめる参加者の範囲を広げるために使うべきです。DJ のエゴが出やすいので細心の注意を払う必要があります。 例)自分の選曲に"女性向け"コンテンツの曲が少ないので、少しマイナーだけど入れる
- アンケート結果を参考にする
これまでの「浅いアニソンで踊る」での選曲予想の回答や選曲知名度調査の結果は、実際の参加者の知名度を知る上で、この上ない指標です。何度も参照してどんな曲が「浅い」のか把握するのが良いでしょう。しかし、 イベントに満足しなかった人の回答率は低いことが予想されるので、実際の知名度よりも高めの値が出ていることに注意が必要です。
- 多数派ではなく全員を楽しませる
「浅いアニソンで踊る」に来る人のほとんどが京大生であり、オタク であり、“男性”であり、日本語話者であり、…その他、多くの観点で多数派を形成する属性があります。実際に来るのはオタクばかりだからオタク向けの選曲をすれば盛り上がるというのは正しいけれど、寮生や友達の付き添いとかで来ている非オタクにも楽しんでもらえるような選曲を心がけたいものです。
【参加者の方へ】
「踊るのが下手だから踊らない」という選択があります。それも一つの判断です。私も納豆は嫌いなので基本食べません。けれど、下手でも楽しむことができるもしれないとも思います(一般に)。「浅いアニソンで踊る」は、 下手な踊りを人に見られるのが恥ずかしい、周りの目が気になるという人でも踊りやすいような工夫をしています。会場を暗幕で囲い、外からの視線を遮断し、踊っている人の割合を増しています。またスクリーンがあるので大抵の人はスクリーンをずっと観ています。DJ 卓にはハチャメチャに踊っている私がいます。少しやりたくないと思うことに挑戦してみることで、世界が広がるかもしれません(一般に)。それでも嫌だというのならそれも良いと思います。私も世界が広がったとしても納豆は食べません。甘納豆ですら名前が嫌なのでそんなに食べません。
私がアニソンを聞き始めたのは、学部の同期とカラオケに行ったとき、みんなアニソンを歌っていたので、それについて行こうと思ったからです。曲のメモとってました。ダンスについても、あるイベントに参加するまで興味もありませんでした。そんな昔の私でも楽しめるようなイベントができたらいいなと心がけています。
アニソンなんか全然知らないよという方、ダンスしたことないよという方、 そんな方にも楽しんでもらうことを目標として、「浅いアニソンで踊る」を開催しています。是非楽しんでいってください。